歯周病は口の中の原因菌が磨き残したプラークの中で増殖することで炎症が起こり、痛みのないまま 徐々に悪化していきます。
原因となるプラークは毎日の積み重ねによって出来ていくため、歯科医院で原因となるプラークを除去し、病気の改善を促すことが出来ても、一時的なものになってしまう可能性があります。歯周病を治す、また再発を防ぐには日頃のセルフケア(歯磨きなど個人での歯周病の予防)が何よりも大切になります。
歯周病になる原因としては、口の中に存在する歯周病原因菌(P.gingivarisなど)が磨き残しなどによって増殖、免疫反応によって周囲組織が炎症を起こすことが原因となります。
多くみられるのが、毎日のブラッシングでプラークを取り残している方です。
他には、ブラシの当て方が間違っている、ブラシの選択が間違っている、1ヶ月以上同じブラシを使い続けており毛先が開いている、フロスや歯間ブラシを使う習慣がない、歯並びが悪く器具が入らない方です。
1
遺伝的要因
2
喫煙者
3
ストレス
4
糖尿病
歯周ポケット検査やレントゲン検査などによって正確な診断をすることはもちろんのこと、生活習慣(喫煙、食生活など)や歯並び、全身状態を把握することで、よりその人にあった治療法や予防法をご提案します。
歯周病と糖尿病は相互関係があると言われています。つまり、糖尿病は歯周病のリスクになり、歯周病は糖尿病のリスクになるということです。糖尿病をもつ患者様に歯周治療を行うと、HbA1cの値が改善する可能性があると考えられています。
血管内に侵入した歯周病細菌により、アテロームプラークが増加し動脈硬化が悪化するといわれています。
誤嚥によって気管に入り込んだ唾液に含まれる歯周病細菌によって引き起こされる肺炎です。高齢者に多い疾患です。
歯周病菌によって、子宮筋の収縮が促進される可能性があるといわれています。
周囲組織は溶ける前、歯茎が軽度の炎症を起こした状態です。
歯茎から血が出る、歯の周りの歯茎が周囲より赤い等、自覚症状は乏しい事が多いです。
歯の周りの骨が溶け始めた状態です。
茎から血が出る、歯の周りの歯茎が周囲より赤い等、自覚症状は乏しい事が多いです。加えて、歯石が歯茎の深くまで入り込んだり、歯周ポケットが深くなります。
歯の周りの骨が根の半分近くまで溶けてきた状態です。
軽度歯周病の症状に加えて、歯が長く見えるようになったりしてきます。口臭や腫れて痛むこともあります。
歯の周りの骨が歯を支えられないくらい溶けてきた状態です。
歯がグラグラしたり歯茎が腫れ、膿の味がしたり口臭が強くなったりします。歯の保存が難しくなっている状態です。
まずは視診、レントゲン検査、歯周ポケット検査を行います。それによって重傷度や疾患の範囲を把握し、治療方針を決定します。
また、何が原因なのか(磨き方、歯並び、食生活、噛み合わせなど)患者様にインタビューしながら診断していきます。初診時に行います。
歯科医院に来院されてデンタルプラークの除去を行ったとしても、患者様ご自信でブラッシングができるようにならなければ歯周病は治りません。
また、歯周病が再発しないように予防するためにも患者様のお口の状態に合わせて正しくブラッシングする事が非常に重要です。初診時と、必要性があれば適時行います。
歯肉の上あるいは歯周ポケット内の奥深くに入り込んだプラーク、歯石をハンドスケーラーと超音波スケーラーを用いてしっかり取り除いていきます。
場合によっては治療後に知覚過敏が起こる事もあるため、事前に歯の状況をしっかり把握した上で治療に当たります。2回目以降の来院時より行い、1~6回程度かかります。
スケーリング終了から1ヶ月後、再度歯周ポケットの検査を行い、改善の度合いを確認します。
この結果によってメインテナンスに移行するか、あるいは歯周外科処置や歯周組織再生療法が必要か判断します。
進行した歯周病では、歯根の形態が複雑であったり、骨吸収が深部にまで及んでいたりすると治療器具が到達しないことがあります。
この場合、深い部分に溜まったプラークや歯石を除去するために歯肉を切開し、目視できるようにすることで確実に除去します。
歯肉縁下スケーリングでは除去しきれなかった歯石や、感染した肉芽組織の除去、歯周ポケットの減少が期待できます。
治療終了後は定期的なメインテナンスをお勧めいたします。当院でのメインテナンスの内容は、スケーリング、PMTC、また、歯周病・虫歯、被せ物・詰め物の適合、噛み合わせのなどのチェックを行います。
歯周組織の再生を促すエナメル基質タンパク質を含んでいるエムドゲインゲルを使用します。
このエムドゲインゲルは、歯の発生過程を再現させる作用があり、歯周病によって破壊された部位の歯根面に塗布することで、歯周組織の再生を誘導させることが可能です。
エムドゲインゲルは世界40ヶ国以上で使用されている、安全性の確認された生体材料です。全世界で100万症例以上に使用されていますが、エムドゲインゲルに直接起因した不具合報告は1例もありません。日本の学会でも、その有用性がエビデンスとして報告されています。
なお、エムドゲインゲルは厚生労働省の認可を受けた治療法ですが、健康保険は適応されません。